[93] 名古屋工業大学では柳田前学長が「教授会等の学内意見に対し学長が拒否権を持つ」、「学内運営に関するポストの任免は学長がすべて権利を持つ」等の学長の専断的な大学運営を認めさせる所信表明を 7月の教授会で手段を選ばぬある意味での脅しと強引なやり方で通しました。しかし、その後の学長の専制的な学内運営に多くの構成員が反発し、11月の教授会で先の学長所信表明の無効決議を圧倒的多数で可決しました(前学長はその場で辞任表明)。現在、本学では新学長のもと責任あるトップダウンと民意を反映したボトムアップのバランスを考えた運営組織を検討中です。民意を反映しない運営組織は活力が失せ、必ずや将来に禍根を残します。都立大の今回の運動に心から賛意を送ります。(****・名古屋工業大学・工学部システムマネジメント工学科)
[92] 「人類の知的財産に対する寄与」という学問の本質を、根本から無視した現都知事の暴挙を認めるわけにはいきません。(****・慶應義塾高等学校)
[91] 日本の大学が大きく変質しようとしている 今、大きな抵抗の楔を打ち込んで下さい。(****・和歌山大学・教育学部)
[90] 日本を代表する大学のひとつと言えるほどの研究 レベルを持っている現在の都立大学は、東京都民 の誇りです。それを支えている教員の意見を尊重 せずに大学を「改悪」することに絶対に反対しま す。今回の計画では、内外の古典的な文学の研究 の存続が危ぶまれています。大学でそのような研 究を担わなければ、どこが伝統の保存・紹介と研 究をするのでしょう。市民講座などでは、社会人 の方々の文学への関心は非常に高く、都民一般に も直接研究を還元できると思います。(****・武蔵野大学・文学部 英語英文学科)
[89] 大学の改革は必要ですが、一方的なものであってはならないと思います。(****・東京工業大学・大学院社会理工学研究科)
[88] 趣旨に賛同します。 意外と一般都民は実情を知りません。情報開示が阻まれているその事実を知らせるべきです。提案は、具体的に、7月31日の原状回復が不可能であるならば、何をどのように目 指すのか、その立案が困難な現実の条件も含めて、広く知らせることが必至でしょう。 人文科学研究科(大学院)修了者で、優れた教育研究期間であったこと確信しています。(****・成城大学・短期大学部)
[87] 都立大学破棄は大学関係者だけでなく、日本 国民に対する暴挙です。私は、大学を定年退 職して10年になりますが、国民の一人とし て、この暴挙に強く抗議します。(****・*大阪大学・医学部)
[86] 石原プランが実現することで、今後の大学改革のモデルにされることを非常に危惧します。(****・羽衣国際大学・産業社会学部)
[85] 牧野標本館とその所蔵標本、そして、スタッフの方々は日本の誇るべき知的財産です。今後とも国際的な高い評価が続くよう支援するのが重要な国際貢献です。(****・愛媛大学農学部・生物生産コース、蔬菜花卉研究室)
[84] 都立大学牧野標本館の植物標本は、日本の植物の分類や進化を研究する上で必要不可欠なものです。廃止されぬよう祈っています。(****・岡山理科大学・総合情報学部生物地球システム学科)
[83] 私は余り指摘されていない二部廃止の方針にも強く反対します。この事は「教育の機会・均等」 の場を奪い、教育基本法第3条に著しく反します。(****・東京薬科大学・情報センター)
[82] 自由な討論と民主主義の気風の中でのみす くすくと育つ学問を、日本で根付かせてい きたいと考えます。都立大の今後に関する このたびの動きは、百年の大計を誤るもの と、とても危惧しております。(****・法政大学・社会学部)
[81] 「都立大に関する文科大臣への要望書」の趣旨 に全面的に賛成です。石原知事の大学に関する 対応を見ていると、「日本を文化国家とする」 理想は全く失われ、文化国家という言葉自体が 死語となった事を痛感します。(****・*富山県中央植物園・園長)
[80] かつて教える機会を得た都立大学の将来に、また他のすべての高等教育研究機関へのこうした政治的介入に、過去の世界に遺された多くの暗い記憶を想い、深い憂慮を覚えます。(****・上智大学・文学部)
[79] 私はサービス業の経営学である「サービ
ス・マネジメント論」を講義しています。
その中で、ほんとうに優れたサービスとい
うのは、表面的に顧客に媚びるものではな
く、顧客自身も意識していないような真の
ニーズを掘り起こし、それに応えるものだ
と話しています。大学にとっての顧客は直
接には学生ですが、公的資金を得ているこ
とや、人材育成が期待されていることから
すれば広く社会全体も顧客と捉えてよいで
しょう。とすると、社会にとってすぐには
役に立たないようにみえることや、社会の
あり方に対する批判は、社会の表面的な意
識からすればなかなかうけいれられないか
もしれません。しかし、そうしたことの積
み重ねが知的財産として社会に蓄積し、発
酵し、あらなたものを生み出す原動力にな
っていることは、歴史をふりかえれば明ら
かです。それこそが大学の提供するいちば
ん大切なサービスの中身だと私は思ってい
ます。
いま都立大学の現状を非難し
解体しようとしているような人たちは、
「民間の発想」とか、「競争」といったい
かにも「経営」を重視するような言葉を使
います。しかし、私は経営学を研究するも
ののはしくれとして、そうしたものの言い
方は皮相であり、なにもわかっていないと
思うのです。ほんとうに優れた「民間企
業」の多くは、現在大学に彼らが押しつけ
ようとするようなことはやっていないので
すから。(****・立命館大学・経営学部)
[78] 大学改革自体には反対ではありませんが、構成員の意見を無視した改革は教員と職員のモティベーションを失わせ、有能な人材の流失を招くという点で、このまま放置すれば東京都民のみならず、日本全体の教育、学術にとって大きな損失につながります。 日本の教育学術を司る機関として、また多くの補助金を支給しているという立場からも、文部省は、紛糾した事態を早急に解消するよう都知事に要請するべきでしょう。(****・University of Illinos at Chicago・Department of Chemistry)
[77] 都立大学大学院理学研究科(1985年3月修士課程卒業)の卒業生です。 遠く、東北の地から、いろいろと物騒な都知事発言は聞いていましたが、 自由闊達な研究の場である、大学までも、自身の思うがままに変えようと言う 恣意的な意図がある、構想は断じて許し難いものです。 現場の声をなぜに耳を傾けないのか? どうぞ、もう少し謙虚に冷静になって、都知事には再考されることを 願っているのですが…… (****・秋田県立能代工業高等学校・理科 教諭)
[76] 不見識な人々によりトップダウンで大学が廃止されるという悪しき先例になります。がんばって下さい。(****・東北大学・大学院法学研究科)
[74] 人々は、まともな政治的代表を選ぶ能力を喪失しつつあるのだろうか。米国や日本、東京都を見てそう思う。(****・東京工業大学・資源化学研究所)
[73] 公立大学とその教員が社会の付託に応えな いとならない社会的責務を負っていること は確かなことでしょう。問題は、一体何が 社会の付託か、です。目先の利益を追求す ることが大学に与えられた責務ではなく、 自然や人間、そして社会のしくみなどを真 理の探究として探求することで、人間をよ り普遍的な幸福に導くことができる「知の 拠点」としてあり続けることこそが、大学 の社会的責務です。それを、時の政治権力 によって歪められないための自由が「学問 の自由」のはずです。都立大学が進んでい いる道は、まさに政治権力による干渉であ り、価値の一元化につながる怖さを秘めて います。私たち公立大学教員も、甘えるこ となく、社会の一員として厳しく教育・研 究にむかっていかないいけないことは当然 のことであり、その点において怠惰でなか ったかについての自己点検は必要です。け れども、それは決して政治権力に阿るもの であってはならないのです。真理の探究に よる、普遍的な善を発見する努力を怠って いないかが、学問的同僚によって批判され るべきものです。無論、学問が国民と人類 の幸福のための物であるという謙虚さを忘 れないでのことです。研究者の良心のない 社会がおよそ文化的といえない社会だとい うことを考える時、日本の将来に大きな不 安を抱かざるをえません。(憲法・教育法 専攻)(****・愛知県立大学・文学部)
[72] 現在進行中の都立大学の「改革」の行方に深い憂慮を覚える。(1)伝統と実績をもつ人文学部の解体・縮小、(2)「都市教養」なる内容空疎な学科編成の将来構想、(3)学長・教授会の意向や既成の改革案を無視した強引な手法、いずれの点でも都の政策にはまったく賛成できない。都民として財政再建の重要性は痛感するが、他にいくらでもやることは残っている。都の浅薄な教育政策は、石原都政の汚点となるばかりか、私立大学を含めた日本の高等教育・科学研究施策全般へ与える悪影響は図り知れない。(****・上智大学・文学部)
[70] 大学の改革は必要だし、社会のニーズに合った学問も重要でしょう。ですが、それを実現する理念と手段が少人数の恣意的なものであることには、断固反対です。事態を悪化させ、取り返しのつかないことになるのは、明白です。(****・東京大学・大学院情報学環)
[69] 私は東京都立大学に5年間在職しました.この都立大学が,石原都知事の一方的な考え により,いまその歴史を閉じかねないことに悲憤しております.都立大学の長い歴史を 支えた多くの学生,教員,職員,都民の願いは都立大学の廃止であるはずはありません. 歴史を絶つのは簡単かもしれませんが,歴史を創るのは少なくとも長い時間と多くの人 々の努力が必要です.むしろ,これまでの歴史にたって,さらに発展させるのが本来 都知事の担うべき役割の筈です. (****・早稲田大学・教育学部)
[68] 新しい人類的課題に取り組むための、ひろやか で柔軟な知性を、現在の都立大学のスタッフが 有していることを疑いません。そして、そのよ うな困難な課題に取り組むための基礎として必 要である、人文科学研究のための体制を安易に そして性急に解体すべきではありません。都立 大には、次の世代の研究者を育てる任務があり ます。そのための伝統を絶ってしまうことは、 はなはだ危険です。(****・愛知産業大学・造形学部)
[67] 石原都知事の「新生・都立大学構想」は時流に流されたプランでしかなく、学問の頽廃をもたらすため、他大学所属の者でも看過できません。 断固、反対するとともに、文部科学大臣の適切な指導を東京都に対して与えて下さるよう、ここに要望するものです。(****・東京大学・大学院総合文化研究科・広域システム科学系)
[65] 大学の統廃合は、それまでの歴史をかんがみ、極めて慎重に行うべきものである。特に、東京都立大学は、これまで多くの人材を育成・排出し、研究面においても国際的に高いレベルの学術研究を行ってきていると、客観的にも思われる。このような日本および世界における高い価値のある資産を、ある時点における政治的な理由によって廃校にしようとすることは、これまで費やしてきた国民・都民の税金をも無にするものでもあり、到底許すことはできない。(****・大阪大学・たんぱく質研究所)
[64] 大学は組織の運営も大事ですが、大学の存在の理念はさらに大事です。 運営の合理化ばかりの議論でなく、現在の世の中において正しい基準が揺らいでいるときこそ理念が大事です。このような理念の議論なくして、大学の廃止を決めてしまうのは日本の将来に大きな禍根を残します。(****・東京工業大学・理工学研究科物質科学専攻)
[62] 石原都知事の改革の進め方は,学問に対する冒涜であり非常に誤ったものである.この誤った改革を継続することにより,学問のみならず日本や世界の文化,ひいては世界平和を壊すものである.要望書の内容に対して賛同したので,ここに署名する.(****・広島大学大学院理学研究科・生物科学専攻)
[61] 改革することは否定しませんが、現在都立大 学の研究者が有している世界に対する競争力 を保持するためにも研究現場の声は反映する べきであると考えます。(****・理化学研究所・植物機能研究室)
[60] タクシーの運転手と大学経営の話題になり、ふと「慎太郎大学」構想を揶揄したら遠回しに反論された。「彼のどこがいいの?」と聞いたら「やっぱ言えないこと代わりに言ってくれるからね」と変わりばえのない答えだったが、この社会に感性の分断状況が広がっているさまを感じて気がふさがった。その実感から署名します。慎太郎を応援する人たちを説得できないと。小難しい長大な議論を書いても彼らは読みませんよ。理論で勝ってもレトリックで負けていると思う。(****・千葉商科大学・商経学部)
[59] 研究機関に勤めるものではありませんが、一地方公務員として、教育研究の自由をおびやかす今回の東京都のありかたおよび都知事の横暴な言動は、地方自治体のあり方としても、またその長の姿勢としても許せないと思います。(****・大津市役所・児童家庭課)
[58] 世界の多くの国で、ignorantとしかいいよ うのない政治家が不必要な不安定要因を作 り出し、あたかもそれが「改革」かのよう に誇大宣伝している。どこかの大国の大統 領のように、Ivy Leagueや名門大学出身と いう肩書きとignorantであることは互いに 矛盾しない。大学のような研究教育機関 は、研究という個人の知的レベルを深める 行為が、教育に直接反映される場であり、 これが制度として保障されていることが必 要なのである。大学に蓄えられた知的財産 (特に基礎学問の)は、教育や著書を通し て人々に伝わり、それが総体として国ある いは世界の「文化」を形作っている。この ことを知らずして、大学の機能を破壊する のならignorantの呼称が相応しいし、知っ ていて無視するのなら、tyrantとしかいい ようがない。(****・明治大学・理工学部数学教室)
[57] 東京都知事の組織した大学管理委員会に よる都立四大学の統合・改革構想は、稚拙と も言うべき教育理念と偏った価値観に基づい て作成されたもので、矛盾と誤りに満ちてお り、大学の存在意義を根底から否定するもの です。 この案がそのまま実行に移される時 は、我国の次世代の市民教育に取り返しのつ かない巨大な損失を齎すものと考えます。 都立大学に限らず、私は我国の全ての大学の 抜本的な改革が緊急課題であると考え、なか なか進展を見せない大学改革を東京都から国 のレベルに拡大するという構想もポジティブ に評価するものです。 また、内容によって は、教員個々人の意見聴取を行うことなし に、トップダウンで改革構想を押し付けるこ とも敢えて否定しないものですが、今回、石 原知事が実行に移そうとしている改革構想に 関しては、余りにも粗雑な教育理念と杜撰な 実行計画で、どのように好意的かつ弾力的に 拡大解釈をして見ても、この構想を認める根 拠を見出すことが困難です。 以下に数多く の問題点のごく一部を列挙しました。 文科 相におかれましては、何卒、ご精査くださ り、取り敢えずは、大学管理委員会の改革粗 案適用の全面撤回と、都庁・大学管理委員会 と大学の双方に対して、教育の本質に立ち戻 った改革の具体的構想の早急な再検討をご指 示下さるようお願い申し上げます。 【1】都知事が新しい都立大学に期待する特 徴の一つに、資本の投下効率の向上がありま す。 大学教育、特に科学技術系のそれは正 に金食い虫で、財務管理の任にあたる方が文 系の出身の場合には、もう少し何とかならな いものか、と思うことがあっても無理からぬ ところと思います。 科学技術系の教育に限 らず、一人の学生を育てるために張り付けら れる教職員の数は、多ければ多いほど教育の 質が高まることは云うまでもありません。 私共教職員は、当然、都立大学よりもっと少 ないスタッフで、より多くの学生の面倒を見 て健闘しておられる大学が多数あることも良 く存じております。 しかし、私達は高級レ ストランのシェフ同様に、見識として、それ を削減可能な経費を浪費しているとは認識し ていないのです。 かけた経費にふさわしい 何処よりも良質の手作り教育を提供している という自信と誇りがあるからです。 教職員 数を削減して人件費を減らせば、帳簿上の投 資効率が目に見えて高まることは云うまでも ありませんし、欧米の格付け会社から優良企 業として高い評価を得る事も可能でしょう。 我国の殆どの大学はここ数十年に亘って、 そうした人件費削減の嵐に曝されて来まし た。 教員や事務職員の数を徐々に減らして 行っても、残っているスタッフが、自分の職 掌範囲を少しずつ増やして当面の不具合を緩 衝するように努力するので、表向き正常に運 営されているかのように見えますが、一般の 人が気が付かないだけのはなしで、教育の質 は確実に低下しているのです。 これはテレ ビやステレオ機器の部品を一つや二つ取り除 いても音が出て、何ら差し支えなく作動して いように見えるのと同じです。 私ども教員 は、教育の質の低下が社会の構成員の個々人 に留まらず、悪循環の閉じたサイクルを完成 したときに臨界的に発現するであろう様々な 社会破綻現象の兆候を殊のほか心配して見守 っております。 已に、一時は各種の事業所 で高い信頼を得ていた理工医系の技術者が、 初歩的な無知や訓練不足によって大きな事故 を引き起したり、製品開発の行き詰りを突き 破る創造力に欠けたり、過大な期待に耐え切 れず数年の勤務で辞めて行く者が漸増する現 実があります。 そして周辺アジアの国々の 優れた大卒が、駄目な日本人に取って替わる ケースも確実に増えております。 最近、特 に目立つ学校・家庭教育破綻、道徳破綻など 様々な破綻現象も、長年に亙る学校経営の合 理化と無関係ではあり得ないでしょう。 短 期的に見て資本の投下効率の最も悪い事業は 教育です。 教育事業の中で短期的な投資 効率の向上を日夜追求する企業に予備校があ ります。 都知事はその予備校に都立大学の 将来構想の作成を三千万円を支出して依頼し たと伝えられます。 同じ教育事業だから 「何か役に立つことを聞かせてくれるだろ う」と思われたのかも知れませんが、予備校 は短期の金銭的利益を追求するところで、大 学とは似て非なる存在です。 【2】 都知事 が新しい都立大学の機能に期待するものに、 大都市・東京の社会環境向上に対する貢献が あります。 莫大な維持管理経費を支給して いる設置者が、大学にその教育研究成果の還 元を求めることは当然ですし、これは何処の 大学の構成員も地域社会ばかりか国、あるい は世界に対する様々な貢献を常に念頭におい て活動しているところです。 都庁の大学 管理委員会の構想では、人文科学、社会科 学、自然科学などの基礎学術部門を「都市教 養学部」として統合し、応用部門を「都市環 境学部」なる看板で集約するものとしており ます。 大学における「教養」過程とは、基 礎科学から応用技術まで、幅広い各種学術の 境界を超越して全体を俯瞰することで、学術 の横断的普遍性を体験させることをその目的 とします。 教養的な視点は科学や技術に限 らず文芸諸学の専門領域の壁を越えた独創 的、開発的な仕事をする上で欠くことの出来 ない潜在能力を賦与するもので、基礎から応 用に亘る先端領域の優れた研究者を数多く取 り揃え、専門的研究を行いながら他領域との 有機的連携に関わる教養的視野を身に付ける 機会を与えるのが大学の存在意義そのものと 考えます。 その「教養」に「都市」なる接 頭語を冠して、都市関連の学術だけに領域を 限定して教養教育を行うとする発想は、教養 のなんたるかを理解していない証拠です。 更に「科学」は普遍性を追及する学術です。 都市にしか通用しない研究は科学ではなく 単なるケーススタディです。 逆に言えば、 都市にとって本当に有用な研究は世界に通用 するものです。 「都市教養」といった視野 の限定された教養教育では、都立大学は何処 へ持っていっても邪魔にされる粗大ゴミの製 造所に堕するでしょう。 文系、理系に関わ る最先端の諸学が均衡を取って共存するとこ ろにレベルの高い教養に支えられた専門教育 の場としての大学の存在意義があります。 我国の大学の過去数十年に亘る人件費削減の 潮流は、真っ先に教養軽視の傾向を齎しまし た。 いま東京都が国に先駆けて示すべき改 革の見本は、教養教育を本来のあるべき姿に 取り戻すことではないでしょうか? (****・*東京都立大学名誉教授・元理学部化学・物理化学専攻)
[56] Japan today is a nation at risk. We have to respect the academic independence, freedom of research and learning for the purpose of peaceful and sustainable society. Koji Nakamura, Professor of English and Global Education Konan University (****・Konan University・The Institute for Language and Culture)
[55] 都立大学の件に関しては,許し難い暴挙だと
考えております.
国家全体が目先の利益のみを追求するような
傾向になってきて
いるので心配です.特定の政治家の意図に
よって,国民全体が
不幸に陥ることの無いよう見守る必要がある
と感じています.
(****・大阪大学・言語文化部)
[54] 昨今の東京都立大学に対する一方的な改悪の 提案に、心より憤りを感じております。学問 の発展と真の意味での社会貢献を続けていく ために、目先の効果にとらわれない、基盤的 な学問研究の場を確保していくことを切に望 みます。とりわけ、哲学・西洋古典学といっ た学問・文化の基礎をないがしろにする改悪 案に、断固反対いたします。(****・慶應義塾大学・文学部)
[52] これまで社会科学、人文科学、自然科学等様々な分野で多くの学問的成果と優秀な人材を送り出し、地方自治の発展にも貢献してきた都立大学の歴史と伝統を破壊するような一方的、押しつけ的な大学破壊を許してはならないと思います。(****・茨城大学・人文学部社会科学科)
[51] フンボルト型の昔懐かしき大学理念も、従来 型の人文学部や文学部の構成も、もはや「耐 用年数」を超えており、根本的な再編は(人 文・文学系を保持している)どの大学におい ても必要とされている。だが、およそ改革と いうものは、その当事者が主体的に参画でき るものでなければ実質的な効果を発揮しえな い。まして教育ならびに研究の質の高さを保 障するものは、当事者(研究者・教員・学 生)の主体性そのものであって、大学組織 は、短期的な経済的得失が求められる(その ためにトップダウンによる強引な運営も許容 される)企業組織とは根本的に性格が異なっ ている。「研究の自由・大学の自治」が、実 は教育・研究の効率を高めるための大前提で あることを知らず、一部の人間の思いつきに よるトップダウンで大学の改革が効果をあげ ると考えるのは、大学を単なる「企業従業員 の育成工場」とのみ捉える貧しい発想からの ことであろう。都立大学の改革が実を結ぶか どうかは、構成員各氏の主体的な参画がどれ ほど保障され反映されるかということにか かっているはずである。これは個別都立大学 におけるものではなく、全国のどの大学にお いても同様であり、今回の東京都の「トップ ダウン」が悪しき先例となってしまうことを 深く憂慮する。(****・弘前大学・人文学部)
[49] 基礎科学分野、特に標本資料を積み重ねることで成り立っている学問分野は国や地域の大きな知的財産です。都立大学のこの分野での蓄積は高く評価されています。(****・北海道大学・総合博物館)
[48] 応援しています。 確かに税金を使う以上、学問の府であっても行政の指導下にあるとは思いますが今回の都立大の改変に関しては石原都知事は納税者の意見をまとめて行っていないと理解しています。いかなる学問も数年で急に出来上がる事はなく、年月をかけて築き上げる物だと思いますので、一人の政治家の「鶴の一声」でそれまでに培われてきたノウハウを霧散させる事は日本にとって不利な事だと思います。 また私なりに今回の件で感じた事として、大学の自治を中心に反論すると、都民から学問の上に居座っているような印象を与えかねず、出来れば一人の政治家の逸走であるような印象を受けるように議論を進めた方が良いのかなぁと思います。(****・岡崎国立共同研究機構 生理学研究所・生体システム部門)
[47] 中身は教育責任のない外部機関(予備校)に丸投げしておいて、学生に追求されると、大学に責任転嫁する。都大学管理本部のやり方はまったく無責任ですが、これを見過ごしたらむしろ文部科学省の責任が問われるでしょう。(****・東京都立大学・人文学部)
[46] 私は7-8年前に海外から戻りましたが、ここ数年の独立法人化に伴う大学改革は 本来の研究教育機関としての大学を破壊する行為だと思います。 研究・教育を考えるなら、このような利益追求(ほとんど個人の)のような 改革はさけるべきだと思います。(****・静岡大学・工学部システム工学科)
[45] 人間中心主義と文献学的伝統のふたつに支えられたフマニタス(人文主義)の象徴だった都立大学(とくに人文学部)にたいする石原都政の攻撃は、日本中の大学にたいする攻撃のモデルとなるものです。 抗議の退職者が続出するのは、日本の大学の歴史においてきわめて異例のことであり、既得権の維持などとはまったく違った論理と倫理で都立の先生方は行動されているものと拝察し、ささやかながら運動を支援するため署名いたします。 三浦信孝(中央大学文学部)(****・中央大学・文学部仏文科)
[44] 大学の自治と研究の自由は、大学というも のの創設の歴史をひもとけばわかるように必 要不可欠なものであります。そのことに対す る理解は、文化人として必須の教養と考えま す。高尾の自然史博物館の閉館も含め、文化 行政に対する理解もなく、知事は非常に野蛮 な人間と考えます。選挙権がないので、いか んともしがたいのですが、今度の知事選で、 そのことを問題にすべきでしょう。(****・千葉県立中央博物館・自然誌・歴史研究部植物学研究科)
[43] 同じ公立大学の籍を置くものとして、都立大 学の話は他人事とは思えません。(****・京都府立大学・文学部文学科西洋文学専攻)
[42] 今回の「都立大学改革」なるものが 改革に名を借りたただの「大学潰し」「高等教育潰し」であることは明白です。 文科省は,その計画の裏表をしっかりと調べ,判断をしてほしいと切望します。 (****・金沢大学・文学部)
[41] 応援します!日本の教育の将来がかかっています!下記のHPでもこの問題についてフランス語で情報を流しています。
http://france-japon.net
http://france-japon.net
(****・聖徳大学・英米文化学科)
[40] 暴挙であると思うのですが、反対、抗議をする中で確認されてきている学問の自由、大学の自治、民主主義などの内容を公表してください。賛同、連帯の意味を確認したいので。 国立大学の法人化を目前に大学の自治、民主主義をつくるには、誰が妨害者なのか、文部科学省なのか、政府なのか、学長なのか、再検討が求められていると思います。 (****・高知大学・人文学部、憲法・教育法)
[39] 東京都立大学理学部・理学研究科で育てていただき、博士号取得に至ったものです。今は子供を育てる一方で、理解ある良い先生方に恵まれて研究も続けることができています。今までの都立大学の研究環境は、経済的に安定した就職先を退職してでも「戻りたい」と思え、実際に戻ってからも後悔することがなかったすばらしい環境でした。基礎研究は、短い期間に目覚しい結果が出るものではありません。すぐに「利益」という形で結果が出る事柄に関しては税金を使う公立教育研究機関が担わなくても「企業」がやってくれるでしょう。すぐには結果が出ないこと、今のところお金儲けには結びつかないかもしれないけれど人類の知的財産として意味のあること、バランスシート的に評価できないことこそを、公が守る必要があるのではないでしょうか?そういうことに税金を使ってもらえることこそ「市民の誇り」ではないでしょうか?8月1日に突然示された新構想は、東京都が今まで大切に培ってくれていた「市民の誇り」「学問の誇り」を違法的な手続きで破壊しようとしているとしか思えません。「新しいことをはじめる」のに全て反対というわけではありません。「新しい、すばらしいこと」ならば賛成し全面的に協力します。「新しい、ばかげたこと」だから、反対せざるを得ないのです。(****・東京都神経科学総合研究所・統合生理部門(非常勤研究員))
[38] メッセージ: 都立大を退職後に急にこのような事態とな り、在職中の旧同僚の労苦、学生たちの動揺を 見聞するにつけ、切歯扼腕しておりましたが、 鬼界氏のご提案も一つのありうるやり方である と思い、連署者に加えさせていただきます。石 原知事は、長期に亙る旧都大学管理本部と大学 側との、ほぼ同意に達していた共同の検討案を 突如一切反古にし、旧大学本部長を更迭、これ まで大学の研究・教育に何の知見も経験もない ひとびと(港湾局と労務管理の辣腕家だそうで す)を、新たに大学管理本部の中心に任命しま した。こうした恣意的な手法の横暴さは全く暴 挙という他はありません。が、予備校に理念設 計を委託すると聞くに及んで、知事・新大学管 理本部ならびにそのブレ―ン(これもいるとす れば公開されるべきものです)が、何の新大学 構想も持ち合わせていなかったことを自ら暴露 したもので、無責任極まりなく、任命者の知事 の責任は重大です。 戦後50年を掛けて多くの教職員・院生・学 生たちの努力によって営々として築かれてきた 東京都立大学の実績が、無知蒙昧なひとびと の、「教授連は旧い、単なる保身だ」といった 何の実質ももたない無責任な空言・恫喝と権力 行使によって、一瞬にして崩壊の危機に立たさ れていることに、深い憤りを覚えます。こうし たことが、独立法人化を目前にしている全国の 国公立大学に波及しかねないとしたら、それ は、日本の学問・文化に対する恐るべき破壊を もたらすに相違ないと憂慮します。 大学での研究・教育には、長期に亙る持続的 な努力が必要なことは言を待ちませんが、官産 学の関係に関しても、短期的な目先の効果のみ を狙うのは産学いずれにとっても、やがては自 殺行為に終わります。我田引水で申し訳ありま せんが、私がいくらか調べている19世紀から 20世紀への変わり目に、ドイツのイエーナ大 学の哲学部数学科の片隅で、学界からも同僚か らもさして認められず正教授にもなれなかった G・フレーゲという人物が切り拓いた新しい現代 論理学が、100年後の今日のコンピュータ時 代を用意する基礎を築いたのでした。何の役に も立ちそうになかった彼の研究を支えたのは、 (当時、医学・生物学の進歩で顕微鏡の需要が 急速に高まり、カメラ熱と相俟って)光学理論 によってツアイス光学器機企業を世界的企業に したその師アッベ(これは大学発のベンチャ ー・ビジネスの典型)で、ツアイス財団の非公 式な援助(産学協同の見本)と、財政的に厳し い状況にもかかわらず、大学を重視し学問の自 由を尊重した当時のワイマール宮廷政府の優れ た文化政策だったのでした。 ところで、大学にも一定の合理化が必要なこ とは、既に大学構成員による提案でも、苦渋を 伴いつつ、考慮されています。 しかし都大学 管理本部案の乱暴さは想像を絶したものです。 その案では、現都立大の大方は、「都市教養学 部」に括られていますが、一体これは何を目指 す学部なのでしょうか。しかも驚くべきこと に、この学部からは、国語・国文学がすべて排 除されています。まともな国の首都にある代表 的な大学で、自国の言語も文学も研究・教育し ないなどという話は聞いたことがありません。 パリ大学で、ロンドン大学で、ベルリン大学 で、あるいはNYのコロンビア大学、ボストンの ハーヴァードで、そんな馬鹿げた発想が口にさ れたことさえあるでしょうか。 また「国際都市」東京の「都市教養学部」で は、洋の東西を問わず諸外国の哲学・歴史研究 教育教員は半減、英米・独・仏・中国の文学・ 言語の研究・教育は全廃され、せいぜい成人教 育にあたるエクステンション・センターでやれ ばいいのだそうです。どこかの孤島の排外主義 のような、独りよがりの大学が、まともな国の 首都の大学で提起されたことさえあったでしょ うか。 都立大の元教員であったので、口幅ったいこ とではありますが、例えば一番の目の仇にされ ている人文学部は、客観的に見て、第三者の多 数の専門研究者たちによる何回かの評価で、ト ップ・クラスにランクされ、事実幾多の優れた 研究者たちが日本の研究をリードしてきまし たし、またそうした研究者も輩出してきまし た。のみならず、諸外国の一流大学、例えば、 オックス・ブリッジ、パリ、ゲッテインゲン、 ハーヴァード、プリンストン、スタンフォー ド、バークレイ、 UCLA、北京大学等、の一流 の学者たちの間で、 TMUの評価は決して低いも のではありません。 こうした長い間の努力 が、大学構想を予備校に委託し、大学院構想に 至ってはまだ全く白紙でしかないような、貧 困・低次元の権力者の恣意によって、破壊され るのは見るに忍びないものです。現在の都立大 構成員をすべて排除して進められている都立大 学の廃校・新大学の新設(それを都は「改組」 と称しているそうですが)は、極めて異常な設 立ないし改組過程で、その認否に関しては、文 部科学省の大学設置審議会において、当然のこ とながら、厳しい審査の対象とされるべきもの です。 (****・*東京都立大学名誉教授・人文学部)
[37] 石原流「オレオレ詐欺」で大学が勝手に潰されたり、製造されたりしては堪りません。(****・宮城学院女子大学・学芸学部国際文化学科)
[36] 国立大学の法人化の動きに象徴されるように、本来ならば学問・教育をいかに遂行するかを誰よりも熟知しており、また自らの組織を運営してゆく能力を持っているはずの大学の教員の意志がないがしろにされる状況が拡大しつつある。国の教育行政と比べると、地方レベルにおいては、知事の権限が直接大学に及ぶ体制であるために、現在東京・横浜で起きている事態は、知事個人の恣意的な考えで長年築いてきた文化的資産を破壊する様相を帯びてきている。国は、行き過ぎた地方レベルの乱暴な行政について、抑制をかけることも時に必要である。座視しないで、未来の教育・研究を正常に進めるための行動をとって頂きたい。(****・新潟大学・理学部)
[35] 研究課題、成果に関する批判の項ですが、同 じ分野の研究者「専門家集団」に限定するの は無理があると思います。前段の一般的な批 判を容認しながら、この項に続き、「社会の 要求」「時代の要求」に逆らうように見えて も、結局は研究予算を握る権力に負ける研究 者を沢山見てきました。40年におよぶ経験 からです。とは言っても、大筋は賛成します ので、署名しました。(****・*理化学研究所・植物科学研究センター)
[34] 2002年2月、最高裁は戸塚ヨットスクールの 戸塚校長らに実刑判決を言い渡した名古屋高 裁の判決を支持し、被告人らの上告を棄却し て、司法の場では決着がついた。同スクール の暴力体質が断罪されたのである。戸塚ヨッ トスクールを支援する会の会長が石原氏であ ることをご存じだろうか?「体罰は教育だ」 という戸塚氏の持論である。その支援者石原 氏の教育への介入は空恐ろしい。是非とも http://totsuka-yacht.com/nyukai.htmを参 照されたい。 (****・弘前大学・人文学部)
[32] 石原知事のやり方は、封建時代の悪代官を
思わせます。私も都立大に約7年在籍してい
ました。都立大の自由で真摯な学風は今でも
高く評価しています。それだけに、都立大が
理不尽に潰されることは、許すことが出来ま
せん。
都立大の教職員、院生、学生の皆さんの健
闘を心から期待いたします。(****・東北大学・大学院経済学研究科)
[31] 東京都立大学の卒業生です。母校の解体及び人員整理を内容とする 石原都知事及び大学管理局の方針につよく抗議します。 新たな知の拠点を目指すとはいえ、拠点構築には担い手の同意と意欲が確保できなければ不可能である。担い手と協議もしないで、上から一方的に押しつけるやり方は たとえ形態的に改革がなされても破産することは必至である。 直ちに、現場サイドと協議し、合意形成に努めよ。 田村(****・茨城大学・人文学部)
[30] このような暴挙を許してしまうと、それが 先例となってしまい、各地で同様の事態が生 じることとなるでしょう。絶対にここで食い 止めなければなりません。(****・金沢大学・法学部)
[29] 石原慎太郎氏の息子たちのうち、立候補した者だけでも経歴を調べると、大学の付属校出身者ばかりである(石原伸晃・宏高両氏)。大学入試という(日本社会の中では数少ない)正当な競争すら息子たちに避けさせる人間が、スパルタ教育を主張し、さらには、競争的な大学を作ると主張しているのだから滑稽だ。(****・小樽商科大学・商学部経済学科)
[28] 国立大学の法人化に関しては種々意見があるにしても、今回の都立大学などの改組の進め方は、日本における高等教育・科学研究の将来にきわめて大きな禍根を残すものです。原案の撤回を求めます。(****・新潟大学・理学部)
[27] 大学における基礎学問の存立、特に人文学に人 類の永遠な精神的道があることを知っている人 でこそ痛感するところであります。大学を新設 することでもないのに、無知な公の横暴が大学 をここまで弄るとは!! 石原さんが未来に東京都のことを心底悩み、都 民のことを考えた善良な都知事として記憶され たいならば、大学の再構成において、こんな近 視眼的で悪政策は考えないでしょう。まさに今 の石原さんは、アジアの植民地化に狂っていた 昔の日本を引きずった国粋的な人間の姿そのま まです。もし、これからの地球村における日本 の存廃を脅かす、国際化に逆行するようにさせ るのは、このような日本人ではないでしょう か。 それに増して、石原さんに賛同する人がいるこ とも、日本の文部省の奨学金で東京都立大学で 勉強をした者としては、本当に理解に苦しむと ころであります。 (****・韓国市立仁川専門大学・日本語科)
[26] 日本の政治状況が都立大に象徴的に現れています。タコが自らの足を食うように、国の将来を食いつぶしている状態。威勢だけで長期的視野のない政治家が、不況が続くなか不満の捌け口になっておりとても危険と思います。(****・新潟大学・理学部)
[25] 都立大学をめぐる今回の問題は、1960年代に起こった東京教育大学の「移転」問題といくつかの側面で類似していることに注意すべきだと思います。当時大学当局は、「手狭なキャンパスから抜け出すべく大学を移転する」という説明から「国際超A級の大学を作る」に転換し、「筑波への移転」を強行しました。実際に起こったことは、移転でなく東京教育大学の廃校であり、文部省きもいりの新構想大学の創設でした。当時、学生は当局の方針に従うことを明記した「誓約書」に署名しないかぎり大学に入校できないといった事態が生まれました。多くの在校生(私もその一人です)が誓約書への署名を拒否したために不利益を被りました。こうした批判の「封殺」は個々の教員にもおよび、移転に賛成か否かの「踏み絵」を踏ませ、少なからぬ教員が大学を去ったのです。 都立大学でも今まさに、石原知事らは都の方針に対する批判を封殺して、教員に対して「踏み絵」を踏ませ、「統合」の名の下に都立大学の事実上の廃校をねらっているように思われます。今回の問題は、筑波大学などが文部省の新たな大学支配のモデルとして位置づけられたように、国立大学法人化の次のステップとして、都立大学や横浜市立大学などいくつかの公立大学を根底から破壊し、民営化へ向かう新たなモデル大学として「再編」するねらいが隠されていると思います。(****・新潟大学・教育人間科学部)
[24] 都立大学の卒業生です。今回の石原都知事の方 針は、東京都が高等教育の責任を完全に放棄す るものです。大学構成員(教職新員・学生)の 真摯な努力に敬意を払い、その意見に耳を傾 け、尊敬に値する解決をしてください。(****・九州産業大学・経済学部)
[23] 中国文学の専攻です。都立大中文は、中国現代文学研究のひとつの拠点として大きな役割を果たしてきたところです。それをいきなり解体するような暴挙は許せません。(****・駿河台大学・経済学部)
[22] 大学構成員の意思を全く無視した暴挙は、 大学そのものの破壊行為です。大学人とし て、また 一市民として到底許すことはできません。(****・立命館大学・法学部)
[21] 大学の設置者は恣意的に研究・教育組織を改廃できるでしょうか。少なくとも日本ではこれまで文部科学省のきびしい審査を受けて許認可されてきました。それは私立大学といえども例外ではありません。 もし、このたびの都立大学に対して実施されようという方向を文部科学省が認めるとするならば、その理念と根拠を国民に対して説明するべきだと考えます。そして、その結果に対する責任の取り方も合わせて明確にしておくべきです。 法人化や教育学部の統合・改変についてでさえ、「在り方懇」のやり方をうやむやにして今後の見通しさえ示すことのできない文部科学省が、都立大学についてだけ何事か説明できるとは考えにくいのですが、もしこのやり方を認めるとすれば、山形大学の教育学部に対して行った「指導」との矛盾をやはり説明し、責任をとる必要があります。 東京都はこれまでの都立大学の研究・教育のどこがどのようにいけなかったのか、より良くするためにはどのような方法がもっとも合理的なのか、教職員・学生の意見を聞かない方が良いと考えるのはなぜなのかをきちんと説明するべきです。都会にあるからなどというのは考え方とか見方という以前の話です。都会にあるなら東京都にある国立大学、私立大学もすべて同じ考え方にならなければならないはずですが、なぜ都立大学だけなのかを論理的に説明してほしいと思います。(****・高知大学・教育学部)
[20] 現在都立大学をはじめとする公立大学に加 えられている理不尽な圧迫・攻撃は、一部 の私立大学でこれまでに行われてきた強権 発動と軌を一にするものであり、今年から 独立法人化に移行する国立大学の未来の姿 を先取りにするものです。日本はまさに 今、戦争国家・警察国家への道を邁進しつ つあります。9・11以後の世界では、 「対テロ戦争」と「グローバロゼーショ ン」を絶対視する見方が強く打ち出され、 アメリカ、イスラエル、イギリスと並んで 日本が本当の意味での「悪の枢軸」4カ国 を形成しようとしています。「強い国家」 「強い指導者」「強い企業」中心の世界・ 社会を築くために、権力集中と民主主義の 矮小化、競争と効率を過度に重視するエリ ート中心・差別主義がその本質だと思われ ます。まさに、「勝者・強者」中心の弱肉 強食の世界を築こうというわけです。 私たちはこのような方向・世界に断固反 対し、より人間らしい世界を築くために今 こそ力を合わせるときだと思います。一人 一人が自分の持ち場で努力するとともに、 より多くの人との連帯・協力を求めていく 必要があると思います。最後まであきらめ ずにともに頑張りましょう!(****・鹿児島大学・法文学部)
[18] 無責任や暴挙がまかり通る時代にしないために 、研究者の自覚と連帯と切磋琢磨が望まれます 。都立大学を守ることはもとより、それ以上に 日本の学問研究を守り発展させるために。(****・東京造形大学・造形学部)
[17] 石原都政による都立大学をはじめとする都立4大学に対するやり方は,まさしく権力の独善的な行使であり,ファシズムに通じるものを感じて空恐ろしい。学問の自由を守るためにも,そうしたやり方は絶対許すべきではないと思う。(****・富山大学・経済学部)
[16] 都立大学の再編問題は日本の高等教育機関全般の危機であり、ひいては日本の今後の学術研究の発展に悪影響を及ぼします。絶対に許すことはできません。(****・桃山学院大学・法学部法律学科)
[15] かつて東京都立大に学んだ者としてのみならず、現在及び将来において大学教育に携わるべき一教員として、このたびの東京都の問題には重大な危機意識を抱いて参りました。よって「都立大に関する文科大臣への要望書」の趣旨に共鳴し、賛同の意を表明致します。(****・大阪商業大学・経済学部)
[14] 横浜市立大学でも、商学部・国際文化学部・ 理学部の3学部を統合して新設する「国際総合科 学部」のコース案を行政主導でやるために、参 加希望者(同意書)を募り、行政当局が選別する という「踏み絵」政策が、2003年12月17日評議 会に「報告事項」として提案されました。 つまり、評議会での審議は必要なし、という 態度です。 研究教育の内容やシステム(人事配置、教員配 置)にかかわることを、評議会や教授会での審 議を無視して行うという体制は、「設置者」権限 の乱用ではないかと思われます。 都立大学と違って、学長が行政にたいして明 確な距離を取っておりませんので、市当局と大 学とが「一致』しているかのような外観がありま すが、この間、商学部、国際文化学部などから いくつもの反対決議や遺憾表明がなされている ように、民主的な改革という点では非常に問題 の多いものです。 「踏み絵」に対して評議会が毅然とした態度を 取っておりませんので、一般教員からなしうる ことは限られております。行政からの直接介入 をどのようにして大学らしくチェックしていく か、その難問が突きつけられていると思いま す。市大にとっても厳しい年になりそうです。(****・横浜市立大学・商学部)
[13] 要望書に書かれているように、東京都立大 学の再編、改革に関して、大学人を納得させ うる大したヴィジョンもなく、むしろ大学を 統制したり、管理することしか念頭にない行 政当局による専断的な大学再編計画が、学問 の自由、貴重な大学の存在価値、大学の理念 を破壊するという危機感に強く共鳴致します。 しかしながら、このような乱暴な大学改造 計画が、昨年8月に打ちだされてきた背景に は、国立大学行政法人化法案が、審議未了の まま、衆参両院で強行採決され、可決された ことがあります。このことを考えると、国立 大学、公立大学の行政法人化を推進した文部 科学省に対し、この法案成立時に付加された 多くの付帯決議にも違反する行き過ぎた「大 学法人」、および設置主体による専断的な大 学再編、改造計画にたいし、上から行政指導 を求めるというような反対運動のスタンス は、やはり問題の解決から遠いという思いを 強くします。 国立大学の行政法人化法案のような、大学 界の存立を揺るがし、脅かす国立大学の再編 計画が提起されたときでも、反対する(行動 として意思表示)大学人の数は全体の中でも 極めて少数でありましたから、行政当局はこ のような署名が数百や、千名規模でなされて も、黙殺してしまえばそれまでという姿勢で 臨むことでしょう。何か反対のアクションを 起こさなければ...という、心ある大学人 の焦燥感を和らげること、また行政に一定の 政治的圧力をかける意味は、勿論あると思い ますが。 今後この声明文に賛同し、署名された良識 ある大学人が、強い決意でもって市井の人 々、困難な未来を背負う学生、若者たちのた めに、またこれらの人々との連帯のもとにな さなければならない「重大事案」があるので はないでしょうか? これを発見し、遂行す ることが今年の大きな課題でしょう。 2004年の年頭にあたり、皆様にこのこ とを強くアピールしたいと思います。 「大学の復権ー市井の人々に支えられる科学 と高等教育の再興」(学会出版センター、 2003年10月刊)の著者より。 (****・日本大学・理工学部)
[12] このような運動の広がりを心強く思います. また,殆ど同じ立場にある横浜市大も要望に 付け加えるべきかと思います.(****・東京都立大学・理学研究科)
[11] 学問の自由は、人間の尊厳に根ざす根本的な原理であり、これを破壊することは、世界を破壊することにつながる。手続的な公正さと内容的な適正さにおいて、都立大学の存亡に関わる事態は黙過しがたい。これは、学問の自由と人間の尊厳を尊重するわれわれにとって重大な問題である。(****・青山学院大学・法学部)
[10] 東京都で起きてきる事態は、日本の大学と「大学の自治」の歴史のなかでかつてないような重大事態だと思います。その論理も手法も傲慢無恥の限りです。石原知事が行っていることは、憲法23条の学問の自由や大学の自治の根幹を侵すもので、許されません。鬼界氏の指摘に深く共感します。 http://www.asaho.com/(****・早稲田大学・法学部)
[9] 石原都知事の暴挙を撤回させるためのこの 運動に全面的に賛同します 石原都知事の問 答無用的な大学改革は 多様性の統合(ウ ニヴェルジタス)である大学の存立基盤を 破壊するものであり 到底許されるもので はありません 大学の現状は理想からは程 遠くその抜本的改革が急務であることは多 言を要しません しかし だからを言って 民主的手続きなしの強引な一方的改変によ って大学の理想的なあり方が創造されると 考えるのは「木によって魚を求める」の愚 以外の何物でもありません 東京都の範例 が全国に及ぼす影響の甚大さを考えるなら ば 石原都知事流の横暴極まりない大学破 壊工作は引き返し不可能な事態を招く恐れ があり 現段階において阻止することが肝 心です 全国の大学人の幅広い協力のもと に この運動が成功することを強く念願す る者です(****・広島修道大学・法学部)
[8] 河村建夫様 文部省の教育行政が日本の発展を支えたことは国民が等しく認める事実で兇刃に倒れた森有礼氏も満足しておられることでしょう。しかし、ここ数年の舵取り如何によっては日本が沈没する事態を招かないとも限りません。遠山敦子前文部科学大臣は大学の使命を省みず、省益を優先させたきらいがあります。法人法案成立の過程において果した役割は見識と品性を疑わせるには充分なものでした。仮に大学の構成員が大臣としての信任投票を行ったとしたならばその結果は言うまでもないことでしょう。文部科学省については如何なものでしょうか。教育においては特に「信なくば立たず」は自明の理で、「釈迦に説法」の非礼には限りありません。貴職と貴省には国民に信頼されその負託に適切に応えて下さいますよう期待致します。乱文お許し下さい。 佐藤公彦 文部科学教官教授 弘前大学医学部(****・弘前大学・医学部保健学科)
[7] 石原慎太郎氏の個人的な理想ではなく、現 状をきちんと把握した上での大学改革をお 願いします。今の時代に必要なのは、目先 の利益にとらわれず、知的 好奇心を自由に追うことのできる場を提供 することです。石原氏の改革案ではそれは 無理です。(****・東京女子大学・現代文化学部)
[6] 文部科学大臣殿 全国の地方国立大学や公立大学を一般教養だけの大学にして日本国の将来は大丈夫だとお思いですか。「新都立大学」の、目先の人気のみに頼って作った大学の卒業生が国家を支えられるとお思いですか。それとも旧帝大卒業の学生だけで十分だとお思いですか。日本近代国家が歩んできた厚い教育体制こそが日本の近代化を急速に推し進めたのではないのですか。目先の財政問題だけから、まるで人気歌手の投票のような大学作りを進めるなんてあまりに幼稚すぎるのではないですか。こんなことでは東アジアの中国や韓国に追い抜かれる日はそう遠くないでしょう。今大学に求められているのは理科系も,文科系も,真剣に物事を探求する学生なのではないでしょうか。目先の試験の成績がいいからといって就職しても社会では使い物にならないはずです。今すぐ役に立つ理論や実験成果より,何十年にも渡って産業や社会を支える理論の方が大事なのではないでしょうか。もっと大きな視野で大学の将来を考えましょう。「新都立大」ではあまりに受験生が可愛そうです。 (****・三重大学・人文学部)
[5] 要望書を起草された方々に心より敬意を表 したいと思います.東京都の都立大学への 介入には強い怒りを覚えます.この事態に 大学を構成する人々が立ち上がらなければ いつ立ち上がるのでしょうか?現在の都立 大学の状況は明日の国立大学かもしれない のです.(****・東京学芸大学・教育学部)
[4] 学問の自由及び大学の自治が行政権力の
「不当な支配」によって脅かされる時、別の
上位の
行政権力に訴えて阻止することを求めること
は、今回の場合のような異常な介入に対する
応急的な対応として必要で有効な手段の一つ
と認められると思う。同時に、憲法23条及び
教育基本法10条に対する違反行為として(こ
ういう場合のための別の権力である)裁判所
に訴えることも、教育法の専門家たちによっ
て検討されるべきではないかとも思う。
しかし、本来もっとも重要なのは、マス
コミによる批判も含めて一般社会からの良識
ある批判によってこのような事態が阻止・抑
制されることだろう。要望書も述べているよ
うに、大学の研究・教育は、文科省や都庁の
ために行っているわけではなく、国公立だけ
ではなく私立大学も含めて、社会全体のため
におこなうという公共性を本質としているは
ずだから、都立大教職員・学生からの批判と
並んで、一般市民、この場合は特に都民の側
からの批判が本来的な批判となるはずであ
る。この点で、特にマスコミの姿勢が問われ
るが、「都立の大学を考える都民の会」の活
動のような(自分の子どもの受験のことのみ
に関心を寄せるというのではなく、学問の自
由や大学の自治の意義にも関心を寄せるよう
な)大学をめぐる問題に関する良識に基づく
社会的な批判のシステムがどのように形成さ
れるべきかを問うことが本質的な課題である
と、改めて思う。(****・愛知教育大学・国際文化コース)
[3] 私たちの現在の行為が未来を創ることを、多 くの方々と共感したいです。現代生態学の到 達点は、人間の生理的生存条件の消滅の意味 から、どうしても現在の経済・政治状況の継 続の変更の必要を示します。最大の環境破壊 である戦争をしないと決意している日本国憲 法は、人類史的にも素晴らしい到達点である と思います。いろいろな角度から、都知事の 態度は憲法違反がありますね。私たちの運動 を通じて、このような人を当選させないよう な力を私たちが得たいと思います。 (****・岡山大学・理学部)
[2] 石原東京都知事の行おうとしている都立大学再編は、過去50年にわたって開発・蓄積されてきた大学の知的伝統を根こそぎ破壊するものであり、「伝統」重視の文科行政に、また国家百年の大計のために「米百俵」の故事を説く小泉構造改革に、真っ向から対立するものである。石原という現代の「僭主」の暴虐を阻止できるか否か、いま日本のデモクラシーの質が問われている。(****・京都大学・人間・環境学研究科)
[1] 哲学者の鬼界彰夫氏が、東京都の大学行政が 学問の破壊行為そのものであることを指摘 し、日本の学術活動の維持・発展に責任があ る文科省に対し、東京都で進行している野蛮 な行政行為を適切に指導することを求める要 望書を1月19日に提出します。要望書の趣 旨に賛同される方は連署により文科省への要 請に御参加ください。(****・北海道大学・理学研究科)